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ので、本校の状況を少し話させていただきます。部活動によって部活懇談会を年に2回ほどもっていたり、それから部活通信、父母会を作って親の協力を得ている。父母会の数は非常に少ないですが、また今後、保護者へのアンケートも考えていきながら、どのようなことを願っているのか、これからの部活動は当然保護者の方の理解・協力を得なければいけないと思いますので、このようなことを考えております。それから、2点めの塾・家庭教師の問題については、指導者によって若干考え方が変わっています。部活を優先してやらせ、塾はそれが終わってから行かせる。となると先程松田先生が言われましたように、部活が終わって、ご飯を食べて塾へ行って、その帰りが10時ぐらいなる。あるいは、できるだけ部活をやって、その後、途中から塾へ行きなさい。とだいたいこの二通りになっていると思います。
池辺先生 渡辺先生のご質問に対して答えになるかどうかわからないですが、本校の部でしたら、土・日の練習に保護者が来てくれたりします。その時にできるだけ保護者の方とコミュニケーションをとっています。あるいは、2点めの質問になると思うのですが、塾のときに家でこういうトレーニングさせてくださいと説明したりします。また、保護者の中には昔柔道をやっていた方が多くおられます。「一緒にやってください。」というと、自分の子だけじゃなく他の生徒にも指導していただくこともあります。一緒に部活指導させて頂くと、以外にコミュニケーションできるのではないかと思います。そこから、見学に来てない保護者も誘って頂いたり、練習試合のときに見学に来て頂いたりということで、協力的な保護者が多いと思います。しかし、なかには応援が過度になりすぎ、試合中審判にクレームをつけることもあるので、県下全体では、このような過度の応援や応援態度については、退場処分にするというようなルールを決めて、ある程度線をもって保護者とコミュニケーションをとるようにしています。そういったコミュニケーションをとっていますと、塾・家庭教師の問題も、できるだけ部活に支障をきたなさいような時間帯に塾とか家庭教師の日を設定するようにお願いしています。また、塾等で休みがちな生徒と他の生徒とのコミュニケーションは、出欠表をつけて、必ず自分でこういう理由を連絡させています。出欠の理由については、生徒にもそれが分かるようにしていく必要があると思います。さらに、その生徒にあわせて「塾が終わってからやりなさい」と、トレーニングの課題を出しています。練習に比べれば何分の1かの運動量かと思うのですが、生徒にとっても練習に代わってこれだけの運動をやったという満足感・充実感があります。
日本中体連 どうも先生方ありがとうございました。私は私立の中学・高校の剣道部を担当しておるのですが、父母会をもったり、部活通信を出したり、こういう方法をとって、なるだけ親との接触をはかったり、親に応援に来てもらったりというようなことをやっています。塾の問題も、文武両道だというとこで「勉強も必要なんだ」と「非常に大切なんだ」ということを言っています。その中で自分の余暇を利用して部活動に入っているんだから、勉強も認めるから正直に言って「今日は塾があります」「今日は家庭教師があります」と連絡をとれということでやっております。
もうひとつ池部先生にお伺いしたいのですが、実は私は中体連で、全国の中学校の部活の加盟の調査をやっています。それを見ますと、柔道部も女子は大分増えております。剣道部も安定した加盟校数をもっております。しかし、問題は指導者なんです。はたして柔道の場合、先生の地区で有段者がどのくらいおられるのか、先程の調査を見てみると全然経験のない人もおられます。この人たちにVTRのような指導法を、池部先生の方で講習等しておられるのかどうか。そうしないと、「管理顧問」でいると、どうしても活動が停滞になっていくと思うのです。そういう意味で柔道の経験のない顧問の先生をどのようにご指導なさっているのかということをお聞きしたいと思います。
池辺先生 本県におきましては、夏1回、春1回の強化練習を行っています。その時に、日頃指導法で悩んでおられる先生に、柔道専門の指導者が男女を分けて指導し、学校

 

 

 

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